女性も気軽に入れる帯広の名店・カレーハウス アパッチ/帯広市

「カレーハウス アパッチ」は、ルーカレーの名店が多い帯広でも有名なお店。その昔、100円玉を握りしめて藤丸デパート近くにあったお店に通っていた高校生が、大人になって子連れで再び来店した、という話があるぐらい息長く愛されているお店です。

そのアパッチが2020年3月にお店を新築移転しました。新しいお店を建てた経緯や店作り、そしてご自宅部分のお話もうかがいました。

地元の人なら誰でも知ってる「カレーハウス アパッチ」

店主の櫻井さんが平原通りの藤丸のそばに「カレーハウスアパッチ」をオープンさせたのが1991年。15年目の2005年に国道38号線沿いの東11条に移転。そこは焼肉屋さんの店先を借りて一人で調理・接客とこなして営業していました。

サラッとしたルーが特徴のハンバーグカレー 750円(税込)。
薄くスライスしたタマネギと千切りキャベツのサラダ付き

一方、娘で店長を務める牧野さんは、結婚後環境の良い音更町の郊外で子育てをしていました。しかしお子様も成人し、お父さんも70歳を迎えました。これまで一人でお店を切り盛りしてきた櫻井さんですが、体調管理のことやお店の仕事の大変さを考え、牧野さんが「父娘いっしょに店をやろう」と提案。同居すればお父さんの体調管理もやりやすくなります。

店長の牧野さん(写真左)、調理担当で店主の櫻井さん(同右)

移転して15年経った今年、「キリの良い」創業30年目を機に、新店舗兼自宅を完成させました。お店と自宅が1つの建物ですから、仕事後の疲れもすぐに癒やせます。

ウッドライフ事務所

ウッドライフの冨原社長と牧野さんは義兄弟。牧野さんは冨原社長を「トシミツくん」と呼ぶほど信頼関係のある間柄ですから、牧野さんには住宅会社選びという悩みはありませんでした。

インタビューに応える牧野さん

その分、土地探しと新しい店作りに情熱を注ぎました。
もともとは西帯広への移転を考えていた牧野さん。当初はさほど予算をかけず、中古の居抜き物件を探していたとか。でも、「父娘が同居した方が楽だし安心」と気づき、店舗兼自宅のために土地探しを始めました。

しかし、土地勘のない地域の上、希望している条件ではなかなか見つかりません。お父さんは長年帯広の東側に住んでいたので、「環境をあまり変えない方がいいかな」と思い始めたそうです。

そこで、お店の近辺で土地を探していると、友だちが「売土地の看板見つけたよ」と教えてくれたのが今の場所。前のお店からすごく近く、目印となる郵便局があり、コンビニも近いなど条件が良かったので「トシミツくん」に相談したら「いいんじゃない」って言ってくれて即決しました。土地探しだけで約1年かかっています。

カフェのようなカレー屋にしたい

ウッドライフの打ち合わせスペースはカフェっぽい内装で仕上げられている

創業した頃は、高校生をターゲットにワンコインでも満足できるボリュームと、サラっとしてスパイス感のあるルーの味が自慢でした。郊外に移転後も、おなかを空かせたサラリーマンなどの男性客を中心に人気がありました。

牧野さんは、移転したらこのおいしいカレーをもっと女性に食べて欲しいてほしい。そのためにはカフェのようなオシャレなカレー屋を目指したいと考えていました。

もともとウッドライフの家づくりはオープンハウスなどで見ていて好みだったとか。「事務所もオシャレで気に入っていました」ということもあり、そのセンスを高く評価していました。
そこで冨原社長に「カレー屋だけど、カフェのような雰囲気にしたい」と相談すると、「それはいいんじゃない」と乗ってくれました。

店を入った正面には、牧野さんが持っているグランドピアノがデンと置いてあります。グランドピアノのあるカレー屋さん、いいじゃないですか。
牧野さんは、音楽関係のお友達も多く、こうしたお店の雰囲気がとても評判が良いそうです。

「本当にオシャレなお店にしてもらってありがたいです」と牧野さん。

牧野さんとカウンターに座ったお客さまと目線が合う設計。
ファーマーズ(音更町の家具店)が造作

「たとえば、カウンターもこんな風にしたくって、雑誌に載っていた写真でイメージをトシミツくんに伝えたら、すぐ作ってくれて。『こういうのはどう?』みたいなやりとりをした後はお任せだったのですが、良い具合になりました。
カウンターの高さも絶妙で、座ったお客さまと私が立った時の目線が同じくらいなんです。カウンターの下には、女性がカバンを置けるスペースが確保されています。カレーを食べてさっさと帰るのではなく、食後にコーヒーを飲んだり長居したくなる雰囲気のお店にしたかったんです」。

これなら、女性が一人でフラッと入っても落ち着いてカレーが食べられそうですね。

実は、娘さんは調理師専門学校に通っており、スイーツ作りを学んでいるそう。ゆくゆくは3代目として、食後にケーキなどスイーツも楽しめるカレー屋にしたいという夢も持っています。

女性用トイレは広めに設計

トイレにも工夫があります。女性用の方が男性用よりずっと広いのです。もちろん内装もキレイに仕上げられています。女性はお店選びでトイレの広さや清潔さを重視します。食べるところだけでなく、こんなところまで気配りが行き届いているんですね。

カレー店なのに、掘りごたつでくつろげる

「女性以外に、家族連れやご年配の方にももっと来て欲しいと思っていました」
そこで、小上がり席や掘りごたつ席まで作りました。

お子さん連れでもゆっくりできる小上がり席

「寛いで食べてほしかったんです」と牧野さん。カレー屋、特にルーカレーのお店は、どこもサラリーマンが急いで食べてサッと出て行くようなイメージ。アパッチではそうではなく、「カレーをじっくり味わってゆったりとした時間を過ごしてほしい」。そんな牧野さんの心優しい気持ちが店作りに反映されています。

1人で効率良く料理できる調理場

牧野さんは、主に接客を担当しています。
厨房は、お父さんの櫻井さんの仕事場です。
こちらの打ち合わせは、主に櫻井さんと行いました。

サラダを盛り付ける櫻井さん。振り向くと、ガスコンロがあり、ハンバーグやカツなどの調理ができる

今のところ、調理はほぼカレーのみなので、広い調理場よりも細長い方が使いやすいとちょっと変わった形になっています。櫻井さんが目の前で実演してくれました。
「ほら、カレー皿に盛り付けするサラダでしょ、ご飯を盛るでしょ」と実際に動きを再現してくれました。調理場が細長いと、体を動かさず、向きを変えるだけでいろいろな工程をこなせます。一人で調理するために最適化され、無駄がなく疲れにくい動線なのです。

「ほんとはね、こんな雰囲気のいいお店なら、もっと値上げしたっていいんじゃないかと思ったんですよ(苦笑)」と櫻井さん。牧野さんは、「でも、お手頃な価格だから週に何度も来てくれるお客様もいらっしゃるんですよ」とにこやかに反論します。

この調理場の隣に櫻井さんの部屋があります。仕事が終わって疲れてもすぐに休める動線です。

ご主人がくつろげる気配りも

調理場から外に出ずに裏玄関に通じる

そして、裏勝手口が家族の玄関口です。
ここから階段を上がると、牧野さんのご自宅。

牧野さんがお気に入りの階段ホール

「主人が自動車整備士をしているので、クタクタになって帰ってきた時にゆっくりくつろげる場所にしたいと思いました」と牧野さん。お風呂は、ご主人に色柄を選んでもらいました。ご主人がくつろげる個室も1つあります。それから娘さんが帰省するときの個室も。

娘さんが帰省したときに使う寝室
2階リビングは、ご主人がくつろげる雰囲気に

リビングは、今はやりのインダストリアルな雰囲気に。2階なので窓を大きくしても外から中が見える、という心配もあまりありません。

自宅部分で気に入っているのは広いクローゼット。牧野さんも娘さんも衣装整理が楽になり、助かっているそうです。

お店も見た目が大事

お店を移転してから数ヶ月経ちましたが、「新しくなって入りやすくなった」という声が多く、来客数は増え続けているそうです。駐車場も十分あり、開放的で明るい雰囲気。

「お店はまずは見た目が大事なんだと感じました。こちらの要望をうまくまとめていただいたウッドライフさんにはほんとに感謝しています」(牧野さん)

お父さんの30年変わらないおいしいカレーと、娘さんの心配りの効いた接客と店作り。その2つが合わさって3代目も繁盛する名店になりそうです。

カレーハウスアパッチ

住所:帯広市東11条南8丁目(帯広東11条郵便局となり)
電話:0155-22-6200

営業時間

ランチタイム:11:00~15:00
ディナータイム:17:00~20:00
※木曜日は定休日 ※当面は不定休